22歳まで発達障害(自閉症スペクトラム)とわからずその天才的ピアノ演奏の才能を持ち、今第二の「辻井伸彦」とまで言われている野田あすかさんがTBSの「金スマ」に2017年7月28日出演しました。
野田あすかさんの今までの人生を振り返り、障害の実態や、家族の支え、そして発達障害の人が持つ悩み、と同時に野田あすかさんが普通の人を超越したピアノの才能を持っていて、それを育む努力など、様々なストーリーがドキュメンタリーで放送されました。
私達が余り知らない事実や野田あすかさんのピアノの旋律の美しさ=心の美しさと純粋な感性をお伝えしたいと思います。
野田あすかさんのプロフィールからご紹介します。
目 次
野田あすかさんのプロフィール
引用: 野田あすかHP http://www.nodaasuka.com/
名前: 野田あすか (のだ あすか)
正年月日: 1982年 生まれ (2017年現在 35歳)
職業:日本のピアニスト、アスコムとマネジメント契約
居住: 宮崎県
野田あすかさんの経歴
在住の発達障害を抱えるピアニスト。
1982年に生まれ4歳の頃より、音楽教室にかようようになり、ピアニストになりたい夢をもつようになる。
しかしながら、学校へ行っても人とのコミュニケーションがなかなかうまく取れず、そういった障害がイジメの対象となり、野田あすかさんにとっての学校生活は決して楽しいものではなかった。
小さいな頃の野田あすかさんと両親
引用: 野田あすかHP http://www.nodaasuka.com/
野田あすかさんは大学まで進み、宮崎大学へ入学してからも、コミュニケーションの面で一行に人間関係が上手くゆかず、それがストレスとなり、過呼吸発作を起こしたり、倒れてしまって入院したり、この繰り返しをつづけていたようです。
家族も困り果ててましたが、一番悩み、苦しみ、どうしようもない自分を自分で傷つける自傷行為は止まることはなかったようです。
大学を中退することになる、野田あすかさん。それでも大好きな音楽とピアノから離れることはなく、その後、宮崎学園短期大学音楽科の長期履修生になります。その時の一人の音楽の先生、との出会いから自分の心をピアノで表現することを学びます。
その先生はとは田中幸子先生とおっしゃる先生で、今も野田あすかさんとともに音楽の師と弟子の間柄にあります。
野田あすかさんの持つ障害とは?
野田あすかさんが持つ発達障害とは、彼女の場合は一次障害が解離(かいりせいしょうがい、英: Dissociative Disorders; DD)性障害と二次障害は発達障害(ADHD)の中でも自閉症スペクトラムと診断されたそうです。
解離性障害(かいりせいしょうがい、英: Dissociative Disorders; DD)と二次障害の自閉症スペクトラムとは、あまり普段は気k慣れない言葉です。どのような障害なのでしょうか?
解離性障害(かいりせいしょうがい)英語名: Dissociative Disorders; DDとは?
自分が自分であるという感覚が失われている状態、まるでカプセルの中にいるような感覚で現実感がなかったり、ある時期の記憶が全く無かったり、いつの間にか自分の知らない場所にいるなどが日常的に起こり、生活面での様々な支障をきたしている状態をさす。解離性障害を持つ人は、防衛機制として解離を病理学的に非自発的に使用しているとされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/解離性障害
自閉症スペクトラムとは?自閉症スペクトラムの障害とは?
ASDは”Autism Spectrum Disorder (Disability)” の略で、日本語では自閉症スペクトラムと訳します。以前の診断基準では広汎性発達障害と呼ばれており、さらに自閉症、アスペルガー症候群 (AS)、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)など細かなカテゴリー分けがありました。現在ではそれらを全てまとめて自閉症スペクトラムと呼んでいます。
社会の様々な場面で人とのコミュニケーションや関わりに難しさが生じる
興味や関心が狭い範囲に限られやすく、独特のこだわり行動や振る舞いが見られる
五感などの感覚が人よりとても敏感に感じたり、逆にほとんど感じない分野がある
大人になり求められる行動基準が高くなってから初めて困難さが明らかになることもあります。
引用: Kaien http://www.kaien-lab.com/
1979年にイギリスの児童精神科医ローナ・ウィングは、アスペルガー症候群を含む自閉症の人が持つ特徴として「ウィングの3つ組」を提唱しました。自閉症スペクトラムを理解する上でこの3つ組の障害という視点から考えるのが分かりやすいのでご紹介しておきます。
社会性の質の違い: 周囲の人とかかわる時に適切にふるまうことができず、相手と関係を築いたり、築いた関係を維持していくことが難しい。
コミュニケーションの質の違い: 相手が言っていることや感じていることを理解したり気づくのが難しい。また自分が言いたいことや感じていることを相手にわかりやすく伝えたり表現するのが難しい。
想像力の質の違い:自分が見たり予想していた以外の出来事や成り行きを想像したり納得することが難しい。自分の興味のあることや心地よいパターンの行動に強いこだわりがあり、想定外の行動を取ることに抵抗を示す。
引用: Kaien http://www.kaien-lab.com/
そして、NHKの報告ですと、日本ではADS(『自閉症』や『アスペルガー症候群』を含む)と診断されている患者さんは国内では100万人以上いるそうです。しかしながら、まだ、診断を受けている人はすくなく、ある程度の成長をしてから困難に直面するといった、生まれてから時間が経過しないと分からない場合が多く、成長してゆく過程でないと気づかないと言う現状です。
野田あすかさんの現在
野田あすかさんは、実はピアノに向かう時は、車椅子を誰かにおしてもらってピアノの前で挨拶します。そして歩く時は松葉杖をついて歩くことが精一杯の様子でした。
野田あすかさんは、発達障害の為に、何かちょっとした事で自分にとっての衝撃を受けると、パニックを起こしてしまうのです。今、足が不自由になってしまぅったのも、パニクっくをお越して、自宅2階から飛び降りた経緯があり、右足粉砕骨折をしてしまったのです。
TVのドキュメンタリーでも、母親が野田あすかさんの自立の訓練の為にお買い物をたのみ、自分一人で松葉杖をついて買い物にゆきますが、途中、小枝や葉っぱなどを置いて、家へ戻る時の目印としていました。しかし、それでも蝶々が飛んでくるとそれを追いかけてしまい、戻れなくなったり、普通の人のようには行かないようです。
そしてスーパーに到着して、母親に頼まれた砂糖と塩を買う段階になっても、目で見て判別するのが難しい野田あすかさんは、スマホで撮影した写真を見て「赤いスプーン印の砂糖」を探すのですが、そこには赤いスプーンではなく「赤いバラの砂糖」でした。
他のもので代替えする発想や思考回路の転換ができないため、「赤いスプーン印の砂糖」がみつからないことでパニックを起こして、ついには泣き出してしまう様子がTVでは映し出されていました。
そして、視覚での判別が難しい野田あすかさんは、実は楽譜が普通の人のように読めません。
楽譜も一段一段を自分の記号で書き出して、リズムは自分のオリジナルのカスタネットで確認、その後、エレクトーンで右手と左手の音をそれぞれに録音、それを何回も合わせて、音を覚えます。そこまでで1日かかります。
全部の楽譜を覚えるのに、ほぼ1ヶ月と、彼女のオリジナルの音の認識方法で頭に暗記させてゆくようです。
それでもピアノが好きで、熱中して止まらないと朝から番までご飯を食べるのも忘れてピアノを弾き続けてしまう野田あすかさんです。
今回初めてTVのドキュメンタリーとなったのは、野田あすかさんが北海道でオーケストラとコラボの演奏を行うと言う彼女にとって大きな大きなチャレンジでした。
実は、ソロリサイタルでコンサートは慣れてはいたのですが、発達障害の人は同じ服装(制服を含む)の人が団体で居るのに直面するとパニックになります。野田あすかさんも同じく、学生の制服を見てパニックになった経験が何度もあるそうです。
練習日、初めて音楽隊と対面する野田あすかさん。
オーケストラと目を合わそうとしません。体を降って下を向いて興奮状態。
オーケストラが演奏を始めると下を向いて小刻みに震えて、「体がいたい」と言い始めました。
野田あすかさんは発達障害なので、初めて聴く音=今まで聴いたことの無い音が、普通の人には音が30デシベルぐらいのものが、その倍の70デシベルに本人には感じる場合があるそうです。
しばらくすると、先生どこ?と言い始め、先生を探しはじめました。先生が野田あすかさんの元へやってきて、先生と話し落ち着いたら、顔もこわばっていた顔が優しさをとりもどし、野田あすかさんの手はゆっくりと動き出し、いつもの美しい旋律をピアノで弾き始め、オーケストラとの練習も始まりました。
その日は無事に練習を終えることができました。
コンサート当日、ホールが満席の、最初にオーケストラの演奏、そして最後に野田あすかさんの演奏がまっています。野田あすかさんの登場で彼女らしいご挨拶が終わるとピアノに向かう野田あすかさん。
演奏曲は幻想即興曲をソロで緊張を乗り越え無事に演奏を終えます。
そして、オーケストラがそれぞれに楽器を持って、野田あすかさんの周りにに着席します。
野田あすかさんは、自分が作曲した曲、「かなしみの向こう」側について、こう語りました。
「悲しい事が合った時、頑張ることも大切かもしれないが、悲しい事にどっぷりひたっていても、いつか光はみえてくると言うそんな思いを込めて作った曲です」と挨拶して演奏がはじまりました。
演奏中、野田あすかさんは、とても気持よさそうで音楽と友に笑顔さえもみせて演奏していました。
そして、曲の終盤、泪をこらえている様子が度々映像に映し出されました。
最後にピアノの演奏が終わると、野田あすかさんは椅子に座ったまま泪をこぼして感動していました。泪をみせるのは、今までのコンサートの中で初めてだったそうです。
演奏が終わった後に野田あすかさんはインタビューでこのように語っていました。
演奏がオーケストラの人たちとあわせられた時に、オーケストラの人達と話しができたと感じた。音楽をとおしてオーケストラの人とおしゃべりできたことを感じた
野田あすかさんは、普通の人にとって何でもないことでも野田あすかさんにとって、友達と話しができる=心の交流ができることは、今までピアノだけが友達だった野田あすかさんの心を感動させてやまなかったのです。
今まで人がとても怖かった。自分が障害を持っている為に一人の人と友達になるのもとても時間がかかって、自分にとって大変なことだったのに、今回、ピアノをオーケストラと演奏することにより、演奏を通して一瞬にしてオーケストラの人と心が合わさって、お友達になれたことを感じた。一瞬にしてたくさんの人とお友達になれたことにとても感動してしまって、泪がとまらなかった。ピアノをしていて良かった。そこまで言うと顔はもう、ボロボロに泣いて、心が感動の泪で溢れていて止めようにも止まらない様子でした。
最後に演奏された野田あすかさん作曲の「悲しみの向こう側」です。
<期間限定公開>野田あすか作曲・演奏「哀しみの向こう」ノーカット版 アスコムチャンネル bu YouTube
脳学者、中野信子さん 大絶賛の野田あすかさんの演奏CD・BOOK(本)
TVの番組中にも出演されていました脳学者の中の信子さん、
「今まで読んだどの本より『発達障害』の世界がリアルに描かれています。ぜひ、多くの人に読んでいただきたい一冊です」
と大変に絶賛されています。
どうかご参照くださいね。
「脳科学者が選んだやさしい気持ちになりたいときに聞く心がホッとするCDブック」
著者 中野信子 音楽 野田あすか
脳学者の中野信子さんが、野田あすかさんと家族が障害とともに歩んで来た道のり、そして医学的な見地から、見分けのつきにくい発達障害について、詳しく書かれた一冊です。そして、野田あすかさんからその心のメッセージをしたためた曲が皆様の心を癒やし、優しさを届けてくれるはずです。野田あすかさんのオリジナル曲が10曲収録されているそうです、
野田あすか作曲・演奏『心がホッとするCDブック』 CD収録曲ダイジェスト映像 アスコムチャンネル by YouTube
「発達障害のピアニストからの手紙 〜どうして、まわりとうまくいかないの?〜 」
著者 野田あすか 野田福徳・恭子(両親) 音楽 野田あすか
野田あすかさんが20歳になるまで障害がある事にきづかなかった両親の失敗と野田あすかさんが障害のある人の気持を思い出す限り、あすかさんの手紙としてしたためた一冊です。「手紙~小さいころの私へ~」と「思いやりの風」の他全10曲が収録されています。
手紙~小さいころの私へ~(発達障害のピアニスト野田あすか作詞・作曲・演奏・歌) アスコムチャンネル
野田あすかさんは、障害を持っているという理由だけでなく、きっと普通の人以上にピュアな心を持ち、今までのコミュニケーション上の苦労で心が傷ついて、さらに人間関係が怖いと思う思いが重なっていった事が、自分の音楽によってそれを乗り越えることができ、自分の変化を感じたに違いないと思いました。
「これからもオーケストラとの演奏をしていきたい」と語る野田あすかさん、演奏を通して人とのコミュニケーションを楽しむようになり、世界的に有名な辻井伸行さんのような世界に羽ばたくピアニストになってくださるのを楽しみに応援したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
http://www.nodaasuka.com/press/index.html